
そう、日本の生活には欠かせない畳の原料。
沖縄県うるま市の海岸線に沿って広がる畑。
照間(てるま)ビーグはそんな土地で南国特有の強い日差しと海風を浴びて育っています。
照間地区一帯には多くの栽培農家が寄り添って暮らし苗の植え付けから収穫まで助け合いながら栽培に取り組むのが習わし。
その歴史はおよそ180年とも言われ琉球王朝時代から今にいたるまで人の暮らしを支え続けてきました。
“ゆいまーる”(相互扶助)と呼ばれる沖縄ならではのビーグづくり。
暮らしにはなくてはならなかった存在が今日常の心地よい空間を演出する「衣・食・住」の必需品として拡がりつつあります。
上質ないつもの手ざわり。 日本人のアイデンティティに染み込んだ香り。 ほのかな甘みを感じるおいしさ。
照間ビーグだからこそ届けられる生活を潤す新しい価値。
ビーグある暮らしは心地いいにきまってる。
照間のビーグとは?

うるま市の照間集落は、その原料となるい草の生産が
沖縄県内でとても盛んな地域です。
今からおよそ180年前、現在のうるま市勝連南風原(勝連城址近く)が発祥地と言われ
今まで栽培されていた琉球イ(三角イ・さちい)に変わり、
良質で取り扱いの良いビーグが生産されるようになりました。
その後、乾燥させる広場を求めて大きな砂浜のある照間に主産地が移り
「照間ビーグ」の名が定着しました。
現在では沖縄でのビーグ生産は、この照間地域が約95%を占めています。
10月から11月初旬頃に植え付け翌年の6月下旬から7月に刈り入れする
照間のビーグは9ヶ月から10ヶ月かけて生育するため、灯心も充実し、
太く表皮も厚く肌触りの良い耐久性にすぐれた商品となります。
また、沖縄の太陽の光を浴び、海からの適度な潮風により害虫なども少ないことから
農薬、殺虫剤などをほとんど使用しません。刈り入れ後も、
泥染などの加工をせず天然素材をそのまま乾燥させ
畳表(むしろ)として使用されています。
今でも畑と農家が隣接するこの地域では、お互い助け合いながら、
労を惜しまず照間ビーグ作りに精を出しています。
照間ビーグの土壌作りから収穫まで。
その一例をご紹介します。
土壌づくり(8月~10月)
![]() ①余ったビーグを燃やして肥料にし 土を耕しビーグの育つ土壌作りを始めます。 |
![]() ②雑草を刈り取り土を耕し 水を引き水田にします。 |
植え付け(10月~11月)
![]() ③土をかき混ぜ水田に肥料を入れながら シロカキー※1で耕しビーグの育つ土壌を作ります。 ※1.田面を平らにする作業「代掻き」に使用する機械 |
![]() ④ゴールマー※2と呼ばれる道具を転がし、 等間隔の印を付けその印に沿って苗を植え付けます。 ※2.沖縄の方言で「転がるもの、回るもの」 |
植え付けから収穫前まで(12月~6月)
![]() ⑤除草剤や殺虫剤などを使用せず 出来るだけ人の手で雑草を取り除きます。 |
![]() ⑥年に3~4回ほど肥料を入れる 田んぼもあります。 |
収穫(6月~7月)
![]() ⑦刈り取る前に水を抜きハーベスターという 機械でビーグを刈り取ります。 |
![]() ⑥水を抜くことができない田んぼは 鎌を使用し人の手で刈り取ります。 |

収穫から畳の原料(畳表)製造まで。
収穫されたビーグは乾燥や選別など幾つかの工程を通してようやく畳表として仕上がります。
![]() ①(乾燥)専用の乾燥機に入れ、 およそ12時間ほどかけて乾燥させます。 |
![]() ②(乾燥後)乾燥されたビーグは 馴染みの茶色に仕上がります。 |
![]() ③(選別)規定のサイズのビーグを人の手で1本1本選別し 選別されたビーグは畳表の原料として使用されます。 |
![]() ④(製織)選別された長いビーグは製織機で織られ畳表として 畳職人の元へ出荷されます。 |
うるま市

世界遺産の勝連城跡やドライブスポットとして人気の海中道路があり
伝統エイサーや芸能活動も盛んな地域。
最近では「食」にも注目が集まり日本一の生産量を誇る「もずく」や美味しさに定評がある「津堅にんじん」
そして「黄金芋」や「ビーグ」など沖縄を代表する食材からうるま市ならではの食材が人気を博しています。
生活環境に優れているだけでなくのどかな田園地帯や美しい海岸が広がる
うるま市は観光地としても多くの観光客を受け入れています。
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