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ゆんたく沖縄料理教室

初心者でも挑戦しやすく身体に優しい沖縄料理を、料理がより楽しくなる歴史や豆知識、おしゃべりと共にご紹介いたします。

第1回:手打ちでつくる沖縄そば

【講師プロフィール】

琉球料理家 嘉陽かずみ

沖縄県那覇市出身。料理講師師範1級・食育インストラクター1級・国際中医学薬膳師などの資格を保持。テレビ・雑誌等のスタイリストとして活動後、フードコーディネーターへ転身。琉球料理研究家・松本嘉代子氏の助手を務め、琉球料理を基礎から学ぶ。2007年「よんなーフード嘉陽かずみ料理教室」を開設。沖縄料理の魅力を伝えながら、明るいキャラクターから繰り広げられる沖縄にまつわるおしゃべりも、沖縄ファンの参加者を楽しませている。

レシピ

<材料>(4人分)

強力粉
500g
重曹
小さじ1
小さじ2
(M)1個
200cc
打ち粉(片栗粉)
適量
サラダ油
適量

※2~3人分作る場合は、こちらの半分の量にする。

「ちむどんどん」に重ねた思い出
本当に家で手打ちしていた

嘉陽
嘉陽かずみ先生
ゆい
ゆいまーる沖縄スタッフ
嘉陽
「沖縄そばは『蕎麦粉を使っていないけどそばと呼ばれる』名物料理。沖縄では年越しも沖縄そばを食べますよ。」
ゆい
「昔から年越しそば的な文化ってあったんですか?」
嘉陽
「なかったのよ、私たちが子どもの頃は。(1972年に日本に)復帰してから、「なんか内地には年越しそばってあるらしいよ」って。それまでは年越しは「ソーキ汁」だったけど、「じゃあ、それにそばを入れたらいんじゃない?」って言って、「ソーキそば」になった(笑)。その時に父が「麺は買うんじゃなくて自分たちで作るんだ」って言って、家で作るようになって。」
ゆい
「復帰してから「年越しそばというものがあるんだ」ってなったんですね。」
嘉陽
「そう、私が小学校5年生ぐらいだったかなー。」
ゆい
「朝ドラ『ちむどんどん』のような光景ですね。」
嘉陽
「あれ、私が小さい頃にお父さんとやってたのとまったく同じ。すごく懐かしかったです。」
ゆい
「小さい頃から作っていたなんて、期待が高まります!では、作っていきましょう!」

1.小さなボウルに重曹・塩・卵を入れて溶き、水を2〜3回に分けて混ぜ入れる。

2.大きなボウルに強力粉を入れ①のかん水を3回に分けて加え混ぜ、なめらかになるまでこねる。

嘉陽
「2回目でそぼろ状になります。3回目を入れたらこね始めます。 この3回目を入れてからこねる作業が上手くいくかどうかで、美味しくできるかどうかが決まります。 指をひろげるのがポイントですね。全体に水分を行き渡らせます」
ゆい
「やはり、どうしても力は要りますか?」
嘉陽
「うん、力は要る(笑)。強力粉だから(弾力・粘りが強いので)、どうしても粉と戦わないといけない。ボウルも回しながらこねると力の節約になりますよ」

※台の上に出してこねる。

嘉陽
「これを『ちむどんどん』では、子どもだから(腕の力が弱く、それを補うために)足で伸ばしてたね。私が子どもの頃、毎年年越しそばを作ってたんですよ。はじめは手でやってたんだけど、手が小さいから『ビニール袋に入れて足でやりなさい』って」
ゆい
「うどんも足でやるところ、ありますよね」
嘉陽
「そうそう、讃岐うどんとかね。こないだ(ご自身が運営する料理教室で)讃岐の人が沖縄そば作ったんだけど、できあがったら讃岐うどんになってた(笑)!『細く切ってくださいね』って言うんだけど、体にしみついてるんでしょうね。よくうどん作るって言ってたからね」
ゆい
「やっぱり、よくこねた方が美味しくなるんですか?」
嘉陽
「うん。こねた方が弾力が出るので。あと、伸びがよくなるんですよね。さっきの3番目(かんすい・卵液を混ぜ合わせるところ)とココが麺作りで1番大事なポイントですね。陶芸家とかパン作りをしている方は、やっぱりこねる作業が上手」
「3番目のまぜる作業をうまくできていないと、生地がいつまでたってもちぎれた感じで、うまくまとまらないんですよ。お料理教室でそれが起きると『どうしよう…』ってなっちゃって。『失敗ですよ』って言えなくて…(笑)。最後まで仕上げてもらいたいから、どうにか修正するんですけどね」

3.②の表面がしっとりまとまったら生地を丸くまとめてビニール袋に入れ、40分〜1時間程ねかす。

嘉陽
「これでしばらく(40分ほど)寝かせて発酵させるんだけど、私は火のそばに置いてます。少し湿気があるところがよく発酵するので。(生地をコンロのそばにセットして)ああ、小汗かいた(笑)」
ゆい
「軽い運動ですね(笑)」

4.③の生地を4等分にし、打ち粉をしながら1〜2㎜厚さの長方形にのばす。

5.④の麺にまんべんなく打ち粉をまぶし4〜8つ折りたたんで2〜4㎜幅に切り、 更に打ち粉をしてよくほぐしておく。

ゆい
「普通の家庭ではまな板の上でこねるのがいいんでしょうか?」
嘉陽
「うーん、テーブルをきれいに拭いてその上で直接やるのが、広く使えていいかも。まな板では狭いと思いますよ」
ゆい
「パン作り用のマットなんか使うのも、いいかもしれないですね」
嘉陽
「そうですね。いろいろ創意工夫してみましょう」

※麺をめんぼうで延ばす

嘉陽
「伸ばしてももどってくるんですよ。これが強力粉の特徴」
ゆい
「ほんとだ。すごい弾力ですね」
嘉陽
「四角い形にしていきたいので、対角線上をしっかり押さえながら角の4か所を延ばしていきます。長方形に整えることで、カットした麺の長さが一定になるんですよ」
ゆい
「初めてやる時、うまくできなさそうな作業ですね。。。」
嘉陽
「ここで止まるんじゃなくて、先までいく(生地の端を越えるぐらい、めんぼうを大きく転がしている)。そうじゃないと薄くならないので。厚さ1、2ミリ程度まで、結構薄くしますよ」
「3番目のかんすい・卵をまぜる工程がうまくできてないと、ここでしっかりと延びないんですよ」
嘉陽
「一人でやると本当に大変で、背筋・腹筋のいいエクササイズになりますよ。料理教室では2人一組でやってもらってます。『代わりばんこにやってー』って」
ゆい
「じゃあ、『ちむどんどん』の暢子はすごいですね、一人で1時間ぐらいで作ってる(笑)」
嘉陽
「屏風たたみに折って、前に押すような感じで切っていきます。あまり下向けに押し付けちゃうと麺がくっつくので、こう、軽く押さえるぐらいの感じで」
ゆい
「わー、美味しそう。手切りのやつは太さがバラつくから美味しいですよね。ちゃんとした手打ちのそば屋さんに行くと切れっ端みたいのが入ってたりして、それも美味しい」
嘉陽
「切ってそのままにしてると麺同士がくっつくので、ふわっとさせて置いておきます」
ゆい
「パラパラっとするのにも、ちゃんと意味があるんですね」

6.大きめの深い鍋にたっぷりの湯を湧かし、塩をひとつまみ入れ、麺についている打ち粉を落として1〜1分30秒茹でる。

嘉陽
「麺を鍋に入れてすぐ、ダマにならないようにほぐします」
ゆい
「この麺が、やっぱ内地では手に入らないですよね。ダシのほうはいろいろ作りようがありそうですけど」

7.⑥をざるに取って水気を切り、サラダ油をまぶして急いで冷ましておく。

嘉陽
「もうそろそろいいですね。全体的に上がってきているので。ザルに上げたらサラダ油をまぶしておきます。」

※ザルにあげた麺をバットに広げる

嘉陽
「後はあおいで冷ませば、麺は完成です」
ゆい
「思ったより大変でした(汗)」
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