HO-SENが創る「沖縄の香り」
沖縄のお香について
かつて東アジアと東南アジアを結ぶ「中継貿易」の拠点として繁栄を極めた琉球王国は、その地理的利点を活かし、ベトナムやタイから最高品質の「沈香(じんこう)」を輸入してきました。
沈香とは、樹木の樹脂が長い歳月をかけて変質・凝集した極めて希少な香木であり、琉球においては単なる交易品以上の価値を持っていました。
中国の王朝へ捧げる「進貢品(しんこうひん)」の代表格として、外交上の礼節を示す重要な役割を担う一方、首里城内で行われる宮廷行事や祭祀においても、空間を清める神聖な儀礼として香を焚く文化が深く根付いていました。
このように、沖縄の香りは古来より、国を繋ぐ「外交」と神聖な「祈り」の場に欠かせない、王府の格式を象徴する存在だったのです。
沖縄の香り
沖縄の香りはベースとしては日本の伝統的な香りと共通していますが、好まれる香りには大きな違いが見受けられます。
いわゆる和の香りが沈香や白檀などの香りを引き立てる調合であるのに対し、丁子やカラキ、ヤマクニブーなどのスパイシーな香りをダイレクトに使用しています。それは気候的な影響や原料が豊富であったなどの理由もあるのですが、沖縄の香り文化の大きな特徴と言っても過言ではありません。
また龍涎香が採れたことや、中継貿易で様々な香りが取引され今よりも多様な香り文化が花開いていたのかも知れません。
HO-SEN の調香は琉球の香り文化を意識しています。沖縄には、亜熱帯気候で育まれるカラキや月桃などのハーブ の他に、中継貿易で流通した東南アジア 香辛料、日本や中国へ 輸出用として 香木など、独自 素材と豊かな香料が揃う文化がありました。
寺院や王宮、御殿などで 香木などが焚かれ、人々 丁子(クローブ)やヤマクニブー(零陵香)などの香りを衣に移し、薫らせました。日本本土とかなり異なる香り文化は、 南国の気候ならではの影響を受けて独自進化を遂げていきました。
線香について
線香は、戦前までその製造が盛んであったとされる、王府関係の資料にも、お香に関する役職や薩摩藩や幕府へのお香の献上に関する文面が確認できるほか、郷土資料などにも様々な種類のお香が登場します。
残念ながら当時の調合などは現存しないため、その香り作りは推測の域を出ませんが日本や中国などの伝統的な調合をもとにオリジナルの香り作りを行っています。 道具などの変化はありますが、1本1本手作りな点は王国時代から変わっておりません。
それ故に不揃いな点や数量が限られるといった面もありますが、工業化された製品との違いをお楽しみ頂ければ幸いです。
香袋について
王国時代に 宝蔵(フーソー)と呼ばれる巾着にタバコや香料を入れて持ち歩いていた事がわかっています。これらの品 は、装身具として多くの婦人が使用していたそうです。
これらの点を踏まえHO-SENで 匂い袋に丁子、カラキ、月桃など シマに縁 ある香料をベースとした香り作りを行い、ただ県産 素材や縁 ある香料を用いるのではなく、失われてしまった琉球や沖縄の文化や風景に想いを馳せた叙詩的な香りのテーマを設けています。